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2006年01月21日

【兵庫】山陽電車で新年会

この日は仲間内の新年会。わしと友人の2人だけでひっそり執り行いました。当初横浜からも参加者ありの予定でした。この日関東は雪が降ったために残念ながら次の機会にということになりました。
午後に大阪駅で待ち合わせます。どこへ行こうかと話し合うと、友人は山陽電車の本線に一部乗り残している区間があるそうです。出来れば乗ってみたいとのこと。北海道の辺鄙な国鉄線には足跡をたくさん残している彼が足元の路線に穴があいているとは意外でした。わしは完乗していますが最後に乗ったのがいつか分からないほどの年月が経っています。記憶を新しくする願ってもない機会ゆえ賛成しました。
梅田からは阪神、山電乗り放題の阪神・山陽シーサイド1dayチケット(2000円)が発売されています。まさに乗り潰しのための企画乗車券です。今日はこれを利用して山陽電車の旅を楽しむことにします。
シーサイドとはハイカラな名前です。確かに須磨の辺りで沿線に海を臨む区間があるものの最初はなぜシーサイドなのかわからなかった。帰宅した後で山陽電車のサイトを見ると山陽電車という漢字の上に英語でSEASIDE EXPRESSと読み仮名が振ってあります。なるほど。納得はしていないけれど理解は出来ました。ところで「海岸急行」ではだめなのだろうか。海産物で有名な明石を通るから「蛸急行」でもよかろうに。なんでも英語っぽく表現すれば格好良く見えるだろうという考えはいかにも安っぽい。しかし「蛸急行」を「オクトパスエクスプレス」とすると「オリエントエクスプレス」っぽく聞こえなくはない。「蛸急行」よりはやはり格好いい。自論に自信がなくなってきた。
サンドウィッチと飲み物を仕入れて乗り場へ。梅田を13:30に発車する直通特急は阪神の車でした。転換式クロスシート車に腰を下ろすと心はすでに旅気分です。ただ居住空間は狭く安い作りの座席も京阪や阪急に慣れた体には少し物足りない。こうした文句を平然と言えるのはおっさんになってしまった証拠で、紅顔の美少年の頃は乗ることだけで楽しかった。今はすっかり厚顔の老醜親爺です。
それでも動き出せばやはり嬉しい。見慣れた尼崎などの沿線すら眺めて楽しい。阪神電車は比較的高架の割合が高く近代的な鉄道路線に思えます。11年前の大震災で大きな損害を蒙ったもののよくぞここまで復活しました。
特急とはいえ急行並みの停車駅で30分近くかけて三宮、元町の地下線へと入り、神戸高速鉄道東西線を経由していよいよ山陽電車の区間に入ります。神戸高速は線路だけを保有して山電と阪神、阪急が車両を走らせる珍しい形態の鉄道会社です。
特急なので山電の起点である西代駅は通過します。流れ去る駅名標を横目に乗り場のお客さんの数を数えると10人程度でした。板宿を過ぎて地上へ出ると山肌にへばりつくようにしてゆっくり走ります。適度な速度は適度な眠気を誘い、酒は飲んでいないのにほろ酔い気分です。この辺りが友人の乗り残していた区間だそうで、無事に完全乗車が出来ました。
沿線の中では比較的大きい明石を出ると田舎らしい風景になり、電車の速度も特急らしくなります。最高速度では山陽本線の新快速には及ばないにしても体感的には明石以西は結構速い。とんとんと東二見、大塩を経て飾磨に到着。飾磨駅からは網干線という新日鉄の工場がある広畑を経由して網干に至る長さ8.5kmのローカル線が分岐しています。友人が網干線を再訪するのはン十年ぶりとのこと。当時の記憶と今とを比べてどんな違いがあるのでしょうか。
よく見るまでもなく飾磨駅は前回に来た時とは少し様子が違っています。駅の出入り、乗り換えなどは構内踏み切りで行なっていたはずなのに今は陸橋を経由して線路を渡らずに移動するようになっています。網干線の電車は本線の上下線に挟まれる形で止まっています。構内を通っていた頃は本線が中寄りだった気がします。位置が変わったことによって本線から網干線への乗り換えが楽になりました。昔とはちょっと変わっていますな、などと昔話に花を咲かせつつ駅の周辺を少し散策してのち網干線電車に乗車します。3両編成の車内はほどほどに座席が埋まっています。
15:14に発車。単線の上を電車は飾磨の車庫を右手に眺め次の西飾磨までは高架を走って地平に降ります。夢前川を渡ると沿線は長閑の一言。住宅街や新日鉄の社宅らしき団地が点点と見えるほかは普通の田舎風景が続きます。途中、山陽天満で少々長めの行き違い待ちがあったほかは淡々と進み終点山陽網干に到着しました。友人曰く、昔とはあまり記憶に間違いはないそうです。半世紀を超えてあまり違和感がない沿線風景は貴重です。
山陽網干の駅前には簡便なバス乗り場があります。ここからは神姫バスが発着しています。バス停名は昔ながらの山電網干です。以前来た時はここから海が見えるところまでぶらりと乗ってみたことがあります。記憶はすっかり薄れていてどのバスでどこをどう走ったのかは忘却の彼方です。
このあとは姫路で姫路モノレールの遺構などを見て歩いたあとで明石にてようやく新年会となりました。明石で玉子焼きを肴にヱビスビールを飲むと少量でもすっかり酔い気分です。
山陽路は大抵新快速で急いで下る旅をしてしまいがちですのでこうしたのんびり旅行は新鮮でした。次回は同じ区間を普通電車で乗り通してみようと本気とも冗談ともつかない約束をして家路につきました。

投稿者 うえの : 2006年01月21日 23:59

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コメント

ハマのご主人さん、おはようございます。
なにをおしゃいますやら!まだまだエントリーのチャンスは濃厚ですよ。次回にき・た・い!ですよ。ついレスにも力が入ってしまう。

投稿者 うえの : 2006年02月12日 07:24

僕だけ不参加で申し訳ありません! 乗り鉄三昧でうらやましいですよ! 日程変えようっと。

投稿者 ハマのご主人 : 2006年02月12日 01:42

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