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2008年09月19日

【地域】鉄道は地元の足ならず

西日本旅客鉄道の取り組みはどこかおかしいのであります。
営利企業ゆえ優先すべきは儲かるであろう路線であるのは確かです。が、利用者にとっては明らかに切り捨てか視点ズレているとしか思えないダイヤを設定すると悪い評判が立って企業イメージの観点からはよろしくないのではなかろうか。
先ごろ北日本新聞が地元中学生が部活動を終えて下校する時間帯(18時台)に高山本線楡原駅(富山県)に列車が来なくなったことの弊害を報じました。秋は日暮れが早くなり、熊が出没する土地柄ゆえ無為に駅で1時間ほど待つことも出来ず、生徒らは学校で自習して帰る日々なのだそうな。列車が来なくなった理由は富山市が行なう『増発』社会実験の区間を今春から富山〜越中八尾間に短縮したためです。その結果、改正前の越中八尾〜猪谷間の列車本数が減ってしまいました。
部活動をしなければ17時2分発の気動車で家に帰れる。ひょっとしたら富山市と西日本旅客鉄道金沢支社様はそのようにお考えになって「問題ない」と判断されているのでしょうか。楡原から猪谷までは一駅だから家族が車で迎えに行けばよい。そうとも考えることができるかもしれません。しかし定期券をお買い上げの上で乗って頂いている以上は可能な限り利用者に不利益が生じないダイヤを考えるのがプロとしての仕事であります。他の区間の増発で手が回らないからと「乗る人がいる」区間の本数を削るのはお粗末な「増発策」でありましょう。今後ともダイヤを変更する意思がないのであれば定期運賃を値下げすべきです。行きは乗れても帰りは便利に乗れない上に、スクールバスを学校関係者に出させるようでは、そんな定期券や列車ダイヤは欠陥商品でしかありません。
社会実験という取り組みは大変結構ですが、綻びが出るような形での変更や実験終了は「なし」にしていただきたいところです。

同じような例は鳥取県でも見られます。日本海新聞が今年5月に報じたところによれば、ダイヤ改正のおかげで夕刻に鳥取、郡家から因美線で智頭方面へ帰る生徒や通勤客に支障が出ているというのです。夕方に鳥取駅を発車する因美線の普通気動車は17時57分の次が19時8分の若桜行きで、これは郡家から因美線を離れて若桜鉄道へ入るため智頭方面へは行けません。20時ちょうどにやっと智頭から智頭急行に入る大原行きが一本。この間は18時40分と58分にそれぞれ発車する特急しかありません。西日本旅客鉄道米子支社様としては特急を利用すれば帰れないことはない。だから問題ないとお考えなのでしょうか。追加の特急料金は鳥取〜智頭間ですと730円(自由席)。確かに昼飯を我慢してコーヒーもビールも飲まなければなんとかなりそうな料金です。うまい設定ですなあ(笑)。
冗談はさておき日本海新聞の取材によれば普通列車がこのような時刻になったのは、特急「スーパーはくと」と山陽新幹線との連絡を優先させたからだそうな。毎日どれほどの人が夕方から東京へ向かうか知らないですが、そのために「ほぼ毎日」乗ってくれる地元の生徒や通勤客は我慢と不便を強いられる。10分くらい「スーパーはくと」の鳥取発車を早めて智頭まで乗車できる号車を限って各駅停車で運転すればどうですかね〜?国鉄時代は末端区間の普通列車運用は割合ありましたけれど、そんなことすると特急料金が入らないからもうやらないでしょうな。
米子支社には苦情が多数寄せられていて対応を検討中とのコメントを出しているようですが、先の高山本線の一件といい、「帰宅時間帯」に地元の方が帰宅できないようなダイヤを作るとどうなるか、普通に義務教育を終えた人なら分かるはずなんですが、大企業ともなると常識が通じない命令とかが下ってきて、末端の現場職員が「やらざるを得ない」のかも知れません。苦情の受け皿ももちろん現場。真面目な職員はやってられませんな。
こんな頓珍漢なことをやっていて鉄道復権なんぞありえるのだろうか。


楡原中下校バス検討 高山線「6時列車」復活せず
2008年09月17日 07:00


富山市細入地域の住民が3月のダイヤ改正でなくなったJR高山線の午後6時台の便の復活を求めている問題で、JR西日本が秋のダイヤ改正を見送ったため、住民に不満の声が広がっている。市教委は、帰宅時に同線を利用する楡原中(同市楡原・細入)生徒の不便解消に向け、スクールバスの臨時運行を検討。住民や市は来春のダイヤ改正へ引き続き復活を要望していく考えだ。
富山市は平成18年秋に富山―猪谷駅で始めた増発社会実験を3月15日のダイヤ改正に合わせて富山―越中八尾駅に短縮。このため、午後6時台に猪谷駅に到着する普通列車がなくなり、細入地域の中高生ら30数人は午後7時台の電車まで待つことになった。
楡原中の保護者らは4月に富山市やJR西日本に秋のダイヤ改正を要望。8月には改正がない場合を想定し、市教委にスクールバスの運行を求めた。JRのダイヤ改正は春が基本で、秋は新車両の導入や駅の改修など特別な場合のみ。増発実験を続ける高山線は運行頻度を保つため他の路線よりも車両繰りや運転士の調整が難しく、秋の改正は実現しなかった。
猪谷地区から楡原中に通う生徒は午後5時40分ごろに部活動を終え、午後7時10分の楡原駅発の電車に乗るため、1時間余り校内で自習をして過ごす。秋以降、日没が早まり、クマ出没の恐れもあるため市教委は「対策が必要」とし、10月からのスクールバス導入を検討し始めた。
楡原中の清水賢校長は「防犯面や生徒の疲労を考えると、できるだけ早く帰宅させたい」とバスを歓迎。ただ実現には運転手や運行予算の確保など課題が多く、市教委は「あくまで臨時措置」とする。
下屋敏同校PTA会長は市教委から生徒に支給されているJRの通学補助、列車の高い定時性などを挙げ「ダイヤ復活を求める姿勢に変わりはない」と強調。JR西日本金沢支社は「社会実験について富山市と協議する中で、調整を図っていきたい」と話している。

(記事出典)▼北日本新聞:楡原中下校バス検討 高山線「6時列車」復活せず
※記事中「電車」とあるのは原文のまま。

「部活もできない」新ダイヤ苦情殺到 JR因美線


JR西日本の今春のダイヤ改正に伴い、鳥取駅や郡家駅などから因美線の下り列車を利用する高校生や通勤客の帰宅時間に影響が出ている。夕方の普通列車に乗り遅れると2時間待ちとなり、「部活動ができない」「家に帰るのが遅くなる」と苦情が続出。JRに改善を求めている。
鳥取駅を午後5時57分発の普通列車を逃すと、次は午後8時。放課後の部活は6時ごろに終わるので、間に合わない」
智頭町から鳥取市内の高校に通う子どもを持つ保護者は、「8割の子どもが町外の高校に通学している。どうしてこんな不便なダイヤにしたのか」と不満を訴える。
旧ダイヤでは、智頭方面に向かう普通列車は夕方、鳥取駅を午後6時24分、郡家駅を午後6時43分に出発し、部活動を終えた高校生の帰宅にもそれほど支障はなかった。
しかし、新ダイヤでは、この列車の出発が約30分早まり、その後には「スーパーはくと14号」と「いなば10号」の特急2本が続けて通過。次の普通列車まで2時間の待ち時間が生じた。
事態を重視した県や沿線自治体、学校、PTAなどはJRに対してダイヤ見直しを要求。生徒への影響が大きい八頭高校(八頭町久能寺)でも、新ダイヤが明らかになった年明け早々、「部活動などに影響がある」としてJR側に変更を申し入れたが、3月時点での対応は「不可能」とされ、間に合わなかった。
大原洋二校長は「部活の終了時間を早めるなど配慮しているが、大会前となると難しい。帰宅時の安全確保も問題となり、女子生徒などが遅くなる場合は保護者に送迎を依頼するなど新たな負担も生じている」と困惑する。
こうした事態に、JR西日本米子支社は「普通列車の時刻変更は、スーパーはくとを姫路で新幹線に接続させるために生じたもので、東京到着時間の短縮は地域ニーズに応えたダイヤ改正の一つ」と理解を求めるが、高校生らに“想定外”のしわ寄せが生じてしまったことには苦慮。
列車の運行計画は特急への接続なども考慮する必要があり、ダイヤ改正は簡単ではないとするが、「苦情も多数寄せられており、今後の対応について検討中」という。
県企画部交通政策課は「たかが30分といえども、通勤や下校時間に大きく影響を及ぼす大切な時間帯。引き続きダイヤ改正を要請していきたい」と、今後のJRの対応を注視している。

(記事出典)▼日本海新聞:「部活もできない」新ダイヤ苦情殺到 JR因美線

投稿者 うえの : 13:47 | コメント (2) | トラックバック

2008年09月11日

【車両】DE10に代わるハイブリッド機関車

共同通信の記事によりますと、日本貨物鉄道株式会社は国鉄DE10形式のディーゼル機関車を東芝と共同開発したハイブリッド機関車に順次置き換えていくとのことです。
国鉄の機関車は無骨でどこか味わいがあるものの、騒音は結構大きい。排気ガスの基準も現代からみれば古すぎるというところでしょう。どこででも見られたDE10もいよいよ過去の機関車となります。DD51もかなり数を減らしています。小型軽量で高出力の蓄電池が開発されれば非電化区間でも「電車」が走る時代が来るのかも知れません。
2010年3月までに試作機が出来上がるということです。

ハイブリッド機関車導入へ JR貨物、東芝と共同開発


JR貨物は10日、排出ガスが従来型より30−40%少ない国内初のハイブリッド式ディーゼル機関車を2012年度から導入すると発表した。貨物駅構内の貨車入れ替えに使っている機関車DE10の後継として東芝と共同開発。10年3月までに試作機を製造し、試験導入する計画という。
従来型より騒音も大幅に減り、JR貨物の担当者は「環境に優しい鉄道を目指したい」と話している。
全国の貨物駅では現在、117台のDE10が稼働しているが、導入から平均34年が経過し、老朽化していた。
JR貨物は、長距離けん引用の電気機関車も将来ハイブリッド式に転換したいとしている。
2008/09/10 19:49 【共同通信】

(記事出典)共同通信

投稿者 うえの : 12:21 | トラックバック

2008年09月01日

【列車】ムーンライトながら廃止を検討

今春、寝台急行「銀河」が消えた東海道本線。来春は快速「ムーンライトながら」が消えようとしています。
夜行バスや新幹線に押されて乗客が減る傾向にあるのが廃止の理由だそうな。特に込まない時期であるなら夜行客はバスでまかないきれる程度の数でしかないのでしょう。夜汽車の旅は近いうちに昔話になってしまいます。
以下に朝日新聞の記事を抄録。

夜行「ムーンライトながら」臨時化へ 18きっぷで人気
2008年9月1日3時0分


東京―大垣駅間を結び、かつて「大垣夜行」と呼ばれた夜行快速「ムーンライトながら」の毎夜運行が今年度末で終わる可能性が強まっている。JR東日本とJR東海が取りやめの方向で検討しているからだ。鉄道ファンから旅の手段として重宝がられている人気列車。乗客が多い時期の臨時列車だけはかろうじて残りそうだ。
新幹線や飛行機、深夜バスに押され、ブルートレインなどの長距離夜行列車が次々に姿を消している。JR関係者によると、「ながら」が毎夜走らなくなるのも同じ理由という。
JRによると、「ながら」の前身は、東京―大阪間を結んでいた夜行普通列車らしい。これが68年10月のダイヤ改定で廃止される方向になると、存続を望む声がわき起こり、当時の石田礼助国鉄総裁の決断で、東京から美濃赤坂に至る下り列車と大垣から東京に行く上り列車が残った。翌年10月のダイヤ改定で下り列車の終着駅は大垣に変更され、その後、正式な名前のない列車が「大垣夜行」と呼ばれるようになったとみられる。
JR全線の普通列車が一日中乗り放題になる「青春18きっぷ」と相性がいいのが「売り」だった。鉄道ファンや貧乏学生たちは日付が変わって最初に止まる駅まで近距離切符で乗り、その後は青春18きっぷのメリットを最大限に生かす旅が満喫できた。
例えば東京駅発車が午後11時40分ごろだった頃、東京から出発する時は、横浜までの440〜450円の近距離切符と、1枚2260〜2300円の青春18きっぷがあればよかった。
96年3月のダイヤ改定で快速に。同時に「ムーンライトながら」と命名され、長良川の鵜飼いを図案化したヘッドマークが登場。ただ、一部区間で指定席が導入され、その分の料金がかかるようになったのはファンに不評だった。さらに、07年3月に東京駅発車が30分早まったため、近距離切符は小田原までの1450円分が必要になった。
今年度末に予定されているダイヤ改定で毎夜運行が終わっても、盆や正月など乗客が多い時期だけ運行されている臨時列車は残る方向という。(鈴木剛志)

(記事出典)▼朝日新聞:夜行「ムーンライトながら」臨時化へ 18きっぷで人気

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