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2006年12月02日

【兵庫】神戸電鉄三田線・公園都市線

久しぶりの神戸電鉄です。今日は乗り残している公園都市線を楽しもうと思います。横山〜ウッディタウン中央間はわずか5.5kmの路線ですが、それに乗るために神戸からは何度も乗った有馬線で約30kmの山登りをします。
11時46分発の小野行き粟生線準急電車で出発します。どこかかび臭く古い型の電車です。
湊川から鈴蘭台までは準急運転です。50パーミルの急勾配が続くためか3両編成の準急は苦しそうに走り、源平の合戦で名を知られる鵯越などいくつか駅を通過しますが各駅停車でも所要時間はあまり変わらないと思える鈍足ぶりです。が、急ぐ旅ではなし。これも味わいのうちでしょう。険しい路線に沿う住宅地を車窓に眺め、10分ほどで鈴蘭台駅に着きます。構内に車庫を備える2面4線の大きい駅で、ここから粟生線は左、有馬線は右へとYの字型に分かれます。乗ってきた準急は粟生方面行きなので乗り換えます。
曇った空から雨が降ってきました。天気は予報通り下り坂です。次の電車まで駅をぶらついて待っていると再び古い型式の電車がやってきました。4両編成の車両は意外に乗客が乗っており、ちらほら空席が見える程度に座席が埋まっています。生活路線として立派に機能しているのがわかります。
山を行く電車なので景色がよいかと思うとさにあらず。沿線に見える風景は住宅や店舗がほとんどで高速道路の脚もあちこちに見えます。天気の加減で霞がたなびく時に乗ると車窓は面白いのですが、誰しもがその時を狙って乗れるものではなく沿線風景は基本的に単調です。
40分ほど走って終点三田に着きます。駅前に降りてじっくり見たのは20年以上も前になります。並行する福知山線がまだ国鉄だった頃で、のんびりした間隔で古い客車や気動車がゆっくり走っていました。扉を手で開け閉めするぶどう色や青色の客車が健在だった時代です。今は道路に車があふれ、高い建物が増えて喧騒が似合う街になっています。
三田から折り返してウッディタウン中央行きの電車に乗ります。行きは昭和生まれの電車でしたが、こちらは平成生まれの新しい電車で、2000系というらしい。
発車時点はがらがらだった車内は三田線と分岐する横山駅から高校生を大量に拾い、3両編成がほぼ満員になりました。
電車は発車するとポイントを踏み分けて公園都市線へ入ります。すぐに短いトンネルをくぐり、北西へと方向を変えつつしばらく走るとフラワータウンという外来語名の駅に着きます。その次は南ウッディタウン。終点はウッディタウン中央。かろうじて「南」と「中央」という漢字が入っていますが基本的に横文字です。外来語っぽい名称にすれば響きは確かに良さそうですが、その一方で実感が伴わない感じもします。文字の上では花や木にあふれた街であっても実質的にはコンクリートとアスファルトで固められた人工の住宅街と商業スペースです。しかし今は冬。春、夏に訪問すればまた違う印象を受けるかもしれません。
単線の軌道を挟んで両側には一般道路が方向別の上下線で走っています。時速約70km/hで走る電車をぼろい作業用のワゴンでさえ簡単に抜き去っていく。どの車も速度違反は先刻承知で80km/h以上は出しています。都市高速的に使われているらしく、近隣の目的地へは電車より格段に早く着けるでしょう。自動車の方が便利さと移動にかかる時間の面でかなり優位に立っているようです。
南ウッディタウンでまとまった下車があり、終点のウッディタウンへはほぼ回送列車状態で到着しました。
駅を出てみます。住宅街へ通じる道のほかはざっと見渡しても歩いていける範囲内には商店もなさそうです。
同じ電車で折り返し沿線を今一度眺めてみます。
大きい商業施設などは駅から外れたところに建っています。賑やかそうな区画は幹線道路沿いに見えます。綺麗に整備された街なのに、人は全く歩いていない。逆に車は多い。何をするにも自動車の利用が前提になっています。しかしそれも無理はないでしょう。勾配が多い、山の土地を切り開いて街を作ったのだから。
ちょっと買物にでも行こうか。そんな毎日の気軽なお出かけに電車の出る幕はあまりなさそうです。
以下、神戸市営地下鉄につづく・・・

投稿者 うえの : 2006年12月02日 19:59

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