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2006年11月18日

【奈良】近鉄生駒鋼索線

生駒駅を出て今度は近鉄生駒鋼索線というケーブルカーに乗ります。まずは鳥居前駅から宝山寺駅までの宝山寺線です。営業キロは0.9kmです。
大正7年に開業した日本最古の鋼索線で、2000年までコ1形という国内最古参のケーブル車両が活躍していました。現在は犬と猫を題材にした新型ケーブルカーが導入され、山上遊園地「スカイランドいこま」へ行く子供たちが楽しく乗れる路線となっています。
始発の鳥居前駅は近鉄奈良線生駒駅から駅ビルの遊歩道を通って乗り換えます。早朝という時間帯でもあり、駅内は閑散としていました。発車まで時間がありますがすでに一両停まっています。前面が猫の顔をした「ミケ」という車両です。首には鈴がついた蝶ネクタイを結んでいます。大人が乗るにはやや気恥ずかしさを感じますが遊びに来る幼い子供にとっては面白い車なのだと思います。
山岳路線ゆえか扉は車内保温のために半自動扱いで乗客は開閉ボタンを押して乗降します。
発車時刻が来て若い運転士が乗り込むと乗客がほとんどないままケーブルカーは7時20分定刻に発車しました。駅をゆっくり発車し、そのまま加速するでもなくのんびりと上がっていきます。軌道は複線でゆったりしており、勾配が緩やかであれば中型車でも余裕で走れそうな印象です。沿線に見える風景はすべて住宅地であり、よくぞこのような険しい土地に家を建てたと思います。駐車場の車は全て窓が白く、気温の低さが下界と違うことがわかります。途中駅はなく、わずか5分ていどで中間駅の宝山寺に到着します。
生駒山上まで行くにはここで乗り換えです。が、次の発車まで50分ほども時間があるため生駒聖天寳山寺へお参りします。宝山寺駅は改札があってないようなところで、一昔前に田舎で見られたようなローカル駅みたいな風情があります。どこからともなく汲み取り式の時代を思い出させる便所の臭いも漂ってきます。なお鳥居前〜生駒山上間の乗車券がある場合は宝山寺駅での途中下車が可能です。
参詣路ともなっている駅前には宿屋が並んでいます。残飯にありつけるのか野良猫が矢鱈と多くいます。猫写真を撮ってみたい人には面白い街でしょう。案内板の地図に従って歩き、灯篭がずらりと並ぶ参道を抜けると寳山寺に到着しました。早朝にもかかわらずお寺はお参りの人が多く見えていて活気があります。本堂で手を合わせ紅葉が綺麗な境内を簡単に一回りした後、御朱印を頂きます。日頃はろくにお経も唱えない不信心者ですが、御朱印を頂くときはさすがに神妙な気持ちになります。
駅へ戻って今度は生駒山上までの1.1kmを結ぶ山上線に乗ります。こちらの車両も賑やかに装飾されており、あとで調べてみると「スイート」と名乗る車両のようです。車体上部にラッパを吹く天使が向き合い、下部はピンク地に白い飾りがついています。モチーフはケーキらしい。これも子供が喜びそうな柄なのでしょうか。ここまでされるとよく分かりません。車内にはすでにおっさんやおばさんが乗り込んでいます。この時間から遊園地へ行くとすれば職員の方々なのでしょう。
発車するとしばらくは排水溝のようなトンネルの中を走ります。出だしから味気ない路線と思ったのも束の間、トンネルを出るとちらほら見える紅葉と眼下に広がる雲がたなびく風景に目を瞠りました。梅屋敷、霞ヶ丘と味わいある名前の駅に順に停まり、7分かけて生駒山上に到着します。複線の宝山寺線とは違い、こじんまりとした単線軌道は短い乗車時間ながら旅情がわく面白いものでした。雪景色の中を昇れば紅葉の今よりも美しい車窓が楽しめるのではないでしょうか。
以下、南海高野線に続く・・・

投稿者 うえの : 2006年11月18日 23:45

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