« 【宮崎】高千穂鉄道から高千穂神話鉄道へ | メイン | 【九州】来年春をめどに喫煙席を廃止 »

2006年01月12日

【山口】下関駅から振鈴が見つかる

身勝手な放火常習犯によって燃え盡きた下関駅。燃えた跡から貴重な品が見つかりました。列車が発車する際に使われた振鈴(しんりん)という手で振る鐘で、開通当初は私鉄だった山陽鉄道の時代から伝わるものなのだそうです。残念ながら木で出来ていた取っ手部分や収めていた箱は焼けてしまいました。復元されることになっており、さらに後世に鉄道の歴史を伝えてくれる名品となりそうです。
以下、12日付け毎日新聞の記事から抄録します。

下関駅放火事件 明治後期のハンドベル「振鈴」見つかる

山口県下関市の下関駅放火事件で焼失した駅舎のがれきの中から、明治時代後期に列車の発車を知らせていたハンドベル「振鈴」が見つかった。木製の箱や取っ手は焼失したが、金属製の鐘部分は黒焦げになりながらも「ガラーン」と再び心地よい音を響かせ、関係者をほっとさせた。
振鈴は高さ39センチ、直径19センチ、重さ3.4キロ。1901年、山陽鉄道の神戸−下関間開通当初、馬関駅(翌年、下関駅に改称)に用意された。発車5分前に待合室で、1分前にはプラットホームで「ガラーン、ガラーン」と大きな音で鳴らされた。乗客が少なかった明治時代には「『客足らん、客足らん』に聞こえた」と伝わる。電気ベルが導入された12年ごろまで使用された。現在、実際に使われていた振鈴はほとんど残っておらず、極めて貴重だという。
普段は、全焼した駅舎北側の駅長室に保管していたが、火の回りが早く、持ち出すことができなかった。駅員らは警察の実況見分が終わった10日午後、駅長室付近を探し、1〜2メートル積もったがれきの下に、30センチほど堆積していた灰の中から振鈴を見つけた。同駅は専門業者に修理を依頼し、元の姿に戻す予定という。
「下関駅物語」などの著者で元下関駅員の斉藤哲雄さんは「見つかって何よりだが、木箱が燃えてしまったのは残念。大切に保管して欲しい」と話した。下関駅長も務めた下関地域鉄道部の中山五郎部長は「元の姿に戻し、市民の皆さんに見ていただきたい」と語った。【青柳聡史】
(毎日新聞) − 1月12日10時11分更新

投稿者 うえの : 2006年01月12日 19:07

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://blog.odorokutamegoro.com/mt-tb.cgi/745_1682705261832

コメント

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)