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2006年01月03日

【宮崎】高千穂鉄道/「官官」体質が蹉跌の一因か

存続の訴えも虚しく廃止が決定された高千穂鉄道。その後の報道が年末31日付け毎日新聞オンライン版の記事に出ていましたので抄録します。

照る葉:’05ワイド 官官経営のツケ /宮崎

会社清算を決めた県などの第三セクター「高千穂鉄道」。9月の台風14号被害がきっかけだったが、88年の設立以来、17年間、毎年続いた赤字経営の“ツケ”が廃止の流れを作ったといえる。
私自身、3年前に延岡市内に勤務していたが、高千穂鉄道を一度も利用しなかった。車の方が高千穂に早く着くのが理由だ。今となれば「観光ででも乗っておけばよかった」と悔やまれる。
存続派の主な主張は、赤字であっても「公共の足」である鉄道は守るべきだ▽観光トロッコ列車の乗客は増えており、将来性はある——などだ。
一方、会社側の説明は、復旧費など今後10年間の経営負担約40億円の大半は県や沿線市町が公費で賄わなければならず、将来に多額の負担を残す▽観光客は増えているが、通勤・通学などを含めた総乗客数は減少傾向——と否定的だ。
社長である黒木睦郎・高千穂町長も会見で「『官と民』の三セク経営ではなく、自治体と国鉄時代の手法を引き継いだ会社との『官と官』でやってきた。甘い体質だったと反省している」と、苦渋の表情で語った。
自動車社会の進展など「時代」の影響も大きいが、経営陣の責任は重い。三セク清算後も、民間経営による部分運行を目指す動きも出ている。
「官官」の轍を踏まないような斬新な計画を期待したい。
12月31日朝刊
(毎日新聞) − 12月31日17時50分更新

一般に役人が何かを経営すれば必ずといっていいほど赤字になってしまいます。経営の能力があるかないかという議論以前に「限りある税金」という概念がなさそう。赤字であっても税金で穴埋めできる。失敗しても責任は取らなくてよい。経営上の失敗を追及されても誤魔化すなり「ご理解いただく」なりすればよい。クズ役人にとってお金は「稼ぐ」もののではなくどこからか自然にわいてきて「貰える」ものである。そんな風に考えているとしか思えないです。ガキが親から貰った1万円を惜しげもなくつまらんことに費消してしまうのと全く変わりはない。使ったあとで少々悔やむがさりとて自分で1万円を稼ぐ努力はしたくない。また親なり誰か他の人が金をくれるのを待っている。借金しても親が払ってくれるからとのんびりしていたけれど、最後の最後でなにも出来なくなって「やーめた」。後は誰か何とかしてね。
真面目に取り組んでいた役人ももちろんいるでしょうけれどしっかりするべき「上」が情けないのではどうしようもないです。時代劇などを見ているとクズはどんどん斬られて悪は消えていくけれど現実の世の中は悪人こそが大手を振って歩く。世の中のためと斬って捨てればこちらの手が後ろに回る。ならば勧善懲悪の考え方は全くの白昼夢でしかない。
今回の高千穂鉄道の一件は官の失態を見せてくれただけでなく民間にも犇く「マズい」企業への警鐘でもあります。

投稿者 うえの : 2006年01月03日 09:27

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コメント

たぐちひろきさん、おはようございます。
銀行も非道いですが勝谷誠彦氏の日記には証券屋の話が書いてあります。もはや業界の体質云々よりも社会生活を営む人間として機能していないです。
自由と権利は教えても、もっと大事な義務などを教えない教育の崩壊に起因することなのでしょうか。

投稿者 うえの : 2006年01月04日 04:31

うえのさま、こんばんは。

民間企業でも巨大化した会社は「官」のような体質になってしまうのが
日本社会の悪いところです。

お正月は銀行や証券会社もめでたくしっかりお休みを取っていますがも
し、この三が日期間中にニューヨークの証券取引所で株価大暴落など
の騒ぎが起こったら「お役所同然体質」の日本の金融機関は迅速に対
応出来るのでしょうか。
金融はもはやグローバル化しています。銀行と証券会社は正月休みな
んかない!ぐらいの覚悟で業務に当たって頂きたいですね。

などと思いつつ、銀行休みで釣り銭不足に頭を痛めながらレジ業務を
やっていた私です。

投稿者 たぐちひろき : 2006年01月04日 01:03

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