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2005年12月04日

【列車】寝台特急「出雲」よ、お前もか

今春のダイヤ改正では寝台特急の代名詞的な「あさかぜ」や「さくら」が廃止されるなど、縮小、廃止の動きが顕著に見られるようになってきました。
マイナーな存在ながら食堂車(非営業)を連結してしっかり残っている特急「出雲」も廃止に向けて具体的な議論が始まっているようです。
経路は一部異なるものの、東京からは同じ目的地に向けて快適な電車寝台特急「サンライズ出雲」も運転されていることから、採算性などを考えると古い客車列車のほうは廃止してもやむなしというところなのでしょうか。
いつも思うことですが、寝台特急は競争相手とされる夜行バスと比べて定時性では優位に立つものの、それ以外では運賃、居住性などを含めてかなり劣っている面が多々あります。
寝るだけのベッド使用料(B寝台で¥6300)は快適なビジネスホテルより高価。しかしベッドメイキングは乗客の仕事です。乗ってしまえば供食の便は皆無。車内販売は無い、或いはごく限られた区間と時間に行なわれるだけ。乗車前に食べ物を色々仕込んでおくのも乗客の仕事です。走り始めたら深夜帯ゆえほとんど停車しない(そのくせ山陰本線はディーゼル機関車牽引により、足は遅い)し、したとしても買い物の時間はわずか。もっとも店自体開いていないでしょう。よほど寝台列車に乗りたい、または乗らざるを得ない人以外は敬遠するのは当然です。
これで特急を名乗るとは片腹痛いわけで、かなり前から議論されているように「寝台列車」という種別を作って利用しやすい運賃で乗れるようにするか、座席車を併結したうえで思い切って快速化してしまうかすれば、まだ延命は図れるかと思います。
いずれも理想でしかないのは分かっていますが、関連する自治体さんのほうでどうしても残したいのであればこうした提案も一つの方策かとは思います。
使われる客車自体が大変古く、一回に走る距離も長いために劣化も相当なものと思います。新しい車がほしいところではありますが、もともと乗車定員が少ない寝台列車で乗客も少ない路線で運行させるには床面積当たりの売上げという点だけ考えても鉄道側は首を縦には振らないでしょう。なにしろ、運行区間が旅客鉄道3社にまたがっているのですからそれぞれの利益配分を考えると尚更です。
輸送の主役が鉄道であった時代はもうとっくに終わっています。これだけ乗り物が多様化した現代なのですから、多様化に見合った乗り物相互間の連携、融合というものを考えた方が良さそうです。

特急「出雲」廃止のニュースを11/30付けで日本海新聞が伝えています。抄録しておきます。

特急「出雲」廃止を検討 JR、年内にも結論

東京と山陰を結ぶ寝台特急「出雲」について、JRが廃止を含めた運行の見直しを検討していることが、28日の鳥取県議会企画土木常任委員会で明らかになった。JRは12月中にも運行を打ち切るかどうか結論を出す方針。は観光面への影響などを懸念し、鳥取、島根両県と連携して存続を訴えていく構えだ。
JRの長距離夜行列車は年々、利用者が減少。今年3月には「さくら」(東京−長崎)と「あさかぜ」(東京−下関)が、10月には「彗星」(京都−南宮崎)が相次いで廃止されており、出雲も利用者はピーク時の三分の一以下に落ち込んでいる。
JR西日本広報室によると、運行の見直しは▽非常に悪い採算性▽車両の老朽化▽ライフスタイルの変化によるレジャー型利用へのシフト−などが主な理由。共同運行するJR東日本JR東海とともに三社で存廃を含めて検討を進め、結果については12月中に公表する方針だ。
この動きに対しでは、今月下旬に入って鳥取・島根の両県と合同でJR三社を訪れ、出雲の永続的運行を求める要望書を提出した。特に、余部鉄橋の架け替えや両県内の高速化など、多大な地元負担を前提に路線整備を進めている点を強調したという。
県交通政策担当課長は「多大な地元負担をして余部鉄橋を架け替え、利便性を図ろうという中で、採算が悪いというだけで廃止するような、逆行する動きはどうか」と指摘。現在、但馬地方と東京を直結する路線はバス・飛行機を含めて出雲しかなく「地域の重要な足として今後も存続を訴えていく」としている。
出雲は1947年6月、大阪−大社間の準急として運行開始。61年10月に東京発着となって以降は、山陰方面へのブルートレインとして定着している。朝の余部鉄橋を通過する勇姿は現在でも多くの鉄道ファンをひきつけ、撮影ポイントとしてアマチュア写真家らに親しまれている。

東日本西日本のいずれの車両紹介ページにも客車の「出雲」が掲載されていないのは来る日の前触れか?
後日、ゆっくり捜してみたら西日本の寝台特急のページに掲載されていました。失礼致しました。

投稿者 うえの : 2005年12月04日 11:40

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