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2005年11月20日

【京都】福知山駅の名物おばちゃん引退

汽車の乗り場から駅弁売りが消え、長く続いた売店も消えていく。後には無機的な24時間営業の自動販売機が残るだけなのでしょうか。自販機だと人件費がかからず労使間の人間関係にも苦しまずに済んで合理的ではあるのでしょうが、旅の道中で人の手によって食べ物や飲み物を受け渡しすることって、ちょっと大事なことだと思うんです。
京都新聞オンライン版の記事を眺めていると、またひとつ寂しい話題が載っていました。福知山駅には何度も乗り降りしている割に食べた記憶がないので偉そうな面は出来ないのですが、以下に抄録します。

駅の味売り 半世紀
JR福知山駅の名物おばちゃん、引退

JR福知山駅構内で半世紀以上にわたり、名物「鬼そば」や駅弁を販売してきた女性が、26日の新駅高架開業に伴う店舗の閉鎖とともに引退する。木造の旧駅舎時代から駅内を売り歩き、構内のそば屋に移った後も、気さくな人柄と笑顔に、通勤客や観光客が立ち寄った。女性は「この味に親しんでくれた人たちに、最後にもう一度食べてほしい」と話す。
女性は京都府福知山市岡ノ上町の川戸光枝さん(71)。1952年、18歳で駅の売り子に。首からつり下げた箱に弁当を積んで駅を歩いた。「最初は声を出すのが恥ずかしくてホームの端に立ったままだった」という。(略)
60年代半ば、立ち売り仲間も姿を消し、2番ホームにあったそば屋を1人で切り盛りした。83年からは構内の新しいそば屋に移った。地元の大江山にあやかった「鬼そば」は、昆布をふんだんに使うだしと素朴な味で評判に。60歳で定年、夫と老後を楽しもうとした矢先、先立たれた。半年後、再び駅に戻った。
(略)駅の外からも常連がやって来る。病院帰りのお年寄りやタクシー運転手、駅で働く人々が声をかけ、そばを食べていく。「あの味が忘れられない」と来る観光客もいる。
そば店は新駅のテナントに入らず、閉店が決まった。川戸さんは11月25日の営業を最後に半世紀の駅人生に幕を下ろす。閉店を聞き、懐かしい味を惜しむ客が次々と訪れている。「お客さんとのふれあいが財産。寂しくなります」と川戸さんは話す。

■この話題に関連した記事
▼西日本旅客鉄道福知山支社
▼両丹日日新聞『愛されて半世紀 駅のそば屋さん高架開業で閉店 販売員の川戸さんも引退』
▼両丹日日新聞『JR福知山駅高架開業でイベント 市が見学や記念乗車など』
▼両丹日日新聞『JR高架開業と商業活性化 起死回生のチャンスとの期待 既存商店街には不安の声も』

投稿者 うえの : 2005年11月20日 11:39

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