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2005年11月19日

【東京】湘南新宿ラインの謎

列車の運賃体系は、はっきり言ってよく分からないものです。旅客鉄道各社の場合、国鉄から民営化されて以降、自由に運賃や料金を決めていますので違う会社の線区に乗るといつも乗車している線区のそれとはちょっと違っている場合があります。もっとも国鉄の頃でも運賃を他線区や競合他社と調整するために営業キロ数を割増したり、あるいは逆に減らしたりして目に見えない「違った運賃」を徴収していました。
今の「見える」運賃体系を大まかに二つに分けると「幹線」と「地方交通線」となりますが、既成の営業路線を走らない定期列車が増えてくるとわずか20円をめぐって以下の新聞記事みたいな現象が起こってきます。貨物線を走る列車の存在です。「旅客路線ではない」区間を旅客列車が走る場合、運賃はどういう考え方で徴収するのでしょうか。
関西の定期列車では空港特急「はるか」がちょっと「複雑に」貨物線を通りますが、果たして「はるか」の運賃体系はいかに。興味のある方は調べてみて下さい。
毎日新聞オンライン版の記事を抄録してみましょう。

湘南新宿ライン:20円高い「幽霊線路」の訳

神奈川県の小田原などから山手線を経由して埼玉県の大宮駅などを結ぶJR東日本の「湘南新宿ライン」で、品川区内の西大井−大崎間は、運転距離が運賃130円なのに150円に設定されている。同ラインが両駅間の貨物線を走るのに、品川駅経由の旅客線の距離で計算しているためだ。時刻表の路線図にも掲載されていない「幽霊線路」となっている。
(中略)ラインが走る西大井−大崎間の貨物線を経由した距離は約2キロ。運賃は130円(営業キロが1〜3キロ)の範囲内にある。しかし、実際の運賃は横須賀線の西大井駅と山手線の大崎駅を品川駅経由で結ぶ5.6キロとして、150円(同4〜6キロ)となっている。
ラインが走る線路は1934年に、品川を経由するロスを少なくするため貨物用の短絡線として整備された。JRは「貨物線なので、旅客運賃としては品川経由で計算している。今のところ、運賃を変更する予定はない」としている。【曽田拓】
毎日新聞 2005年11月19日 15時00分

余禄:日本で一番需要がある鉄道路線の一つ、東海道・山陽新幹線の運賃も実は目に見えない「割増」路線の仲間です。東海道区間だけを考えても、新幹線は東京−新大阪間の実キロ数は約516km(運賃は7980円)。並行して走る在来線の同じ区間は553km(運賃は8510円)です。米原−岐阜羽島−名古屋の区間のように一部別線とする場合もありますが、在来線も新幹線も並行して走る以上は各駅相互間は「同じ」運賃で計算されてしまいます。他に在来線と新幹線が並行して走る東北や上越、九州の各新幹線も運賃算出の考え方は東海道・山陽区間と同様です。

投稿者 うえの : 2005年11月19日 22:08

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